奈良生駒市
帯ときものやまぐちです。

 


宝石は、美しさと耐久性、そして多くの場合は、その希少価値をもとに厳選された天然の結晶鉱物であります。地球上に存在する4000種類以上の鉱物が認定されていますが、宝石はそれらの中でも、ある程度以上の硬度を持ち、しかも美しさの条件が備わっている必要があります。そのため、宝石として市場に流通しているものは100種程度しかありません。よく知られているように、宝石はそのほとんどのものは、地球内部から産出された鉱物で、地球を構成する三層構造の地殻、マントル、核の中で、主に地殻で形成されています。最も有名な宝石であるダイヤモンドだけは、マントルで生まれています。


 

宝石は、マグマの熱い熱気、非常に高い圧力、そしてその緩やかな冷却過程において育てられます。マグマは凝結したり、液体が蒸発したりする過程で、原子が規則正しく配列し、結晶へ成長し固体となります。宝石には、十分成長できる時間や空間が必要です。これは宝石が形成されるために、最も必要な条件とプロセスであります。宝石の結晶への成長環境としては、マグマの溶液、ガス、熱水、環境の変化による変成作用、表層水そして地球深部のマントルなどが上げられます。

宝石は、主に地殻の岩石の中で結晶化されます。その岩石とは以下の3種類に分類されます。

火成岩

地球深部のマグマが地下や地表で冷えて固まった岩石(深成岩と火成岩がある)

堆積岩

地表に露出した岩石が物理的、化学的な風化作用を受けて破壊され、 河川の運搬によって下流に堆積され、生じた岩石(砕屑岩、石灰岩)

変成岩

堆積岩がマグマに接触したり、熱や圧力を受けたりして、元の岩石組 織及び鉱物組織が変化し、再結晶化した岩石(ホルンフェルス、結晶片岩、片麻岩)

たとえば、深成岩である花崗岩のマグマは、地殻深部で冷えるにつれ、多様な化学成分により結晶化し、長時間に渡って液体状態で残存すると、大きな結晶が形成されます。コランダム、ガーネット、ジルコンそしてムーンストーンなどはその代表的な例です。また、岩脈や岩石の割れ目から大きなエメラルドやアクアマリン、トルマリンなどの結晶も形成されます。

マグマの侵入により上層部にある既存の岩石と接触し、温度の上昇とマグマから流出した溶液によって、元の岩石が分解され、再結晶化します。この過程で多くの新しい鉱物が生まれることがあり、ガーネット、ルビー、サファイア、スピネルなどはその代表的な例です。