荒磯文様は大陸から伝えられてきた文様の一つです。

出世魚である縁起の良い鯉が躍動感溢れるように表現されています。

波間を飛び跳ねる様は飛び出してきそうな程大胆に生き生きと描かれております。

経糸で絣を織りだした、手織り紬のような独特の風合いの綿生地に、伝統的な染め方の一つである「引き染め」で、江戸の頃より伝わる中形の柄を染め上げた、個性的な夏のおしゃれ着です。

【江戸後期天保13年(1842年)に創業の「竺仙」】

江戸染浴衣の独特な技術を活かし浴衣から江戸小紋へと世間に名を馳せ、歌舞伎の世界にまでその生きざまが描かれています。

竺仙染は、江戸明治から伝わる型紙と職人の鋭敏な勘のみで作られています。

反物の口型に「竺仙鑑製」と染め抜かれた「鑑」の一字にその覚悟が示されています。

「鑑」とは、手本になる、かがみ、また目利きなどの厳しい意味があります。