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伝統的工芸品 有松・鳴海絞 手絞り 浴衣

有松絞り

 有松は、絞り染めの代表産地です。約60種の絞り技法による多様な模様表現が魅力です。代表的な技法に、縫絞り、蜘蛛絞り、三浦絞り、鹿の子絞り、雪花絞り、巻き上げ絞りなどがあります。

 絞りの里・有松はかつての東海道の宿場町「鳴海宿」に隣接した土地で、織田信長が今川義元を破ったことで名高い桶狭間の一角にあります。有松・鳴海絞がこの地で始まったのは約400年前、名古屋城を見に行った竹田庄九郎が、築城している豊後の人たちの中に絞りの衣があるのを見て、それをヒントに絞りを始めたといわれています。その有松・鳴海絞の開祖、竹田庄九郎が始めた「九九利染」をもとに、多彩な絞り技法が考案され、伝統の技法を守りながらも時代に合った絞り染を発展させてきました。

 絞りの制作過程は、まず図案どおりに型紙を彫り、絹や綿などの布に下絵彫りをし、その布を糸で括り、染め上げます。括られた部分は染まらず、糸抜きをすると模様が現れます。絞りはすべて手括りのため、人の手加減で染色の微妙な差が出るのが魅力です。

 このゆかた地は一粒、一粒に丹精を込めてくくられ、自然な風合いを大切に手染めをくりかえし、丁寧に仕上げられています。手作りの持つやさしさと、伝統が誇る格式の高さがみごとに調和した逸品です。