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Jewel Beetle ひと夏の命輝く 神秘のジュエリー

まほろばの神秘 千年の煌き

―幸運を貴女に一

樹上の宝石

和名:ヤマトタマムシ

国内におよそ200種いるといわれるタマムシは、古くからその輝きが人々を魅了し、その色は「玉虫色」と呼ばれて珍重されてきました。

今からおよそ1400年前の飛鳥時代(7世紀)に作られたとされる法隆寺の「玉虫厨子」もこのタマムシの羽が装飾に用いられており、日本に残る最も古い漆芸品のひとつとして、またその芸術的価値においても、漆工芸の歴史の中で非常に重要な地位を占めています。

今のように人工的な光や色が溢れかえっていなかった時代、この複雑な光沢を持った色が、人々を魅了したであろうことは想像に難くありません。
ヤマトタマムシは昔から玉(宝石・輝石等)と同じ様に珍重され、その見た目の美しさから、嫁入り道具のタンスの中に入れておくと着物が増える、お金持ちになる、幸せになるという言い伝えや、鏡台に入れておくと好きな人に会える、という俗信も持っています。そんな人間達の思いをよそに、1000年を経てもその輝きが失われることはないといわれる羽を広げ、タマムシは美しい森を飛んでいくのでしょう。

ひと夏しか生きられない、その命を輝かせながら。