奈良 生駒市 帯ときものやまぐちです。

きものは,長く着るものであり,親から子へ大切に引き継がれる。

そのため,家庭では,きものを着る時には手を洗い,虫がつかないようきっちりと畳んで保管し,季節ごとの虫干しなどに気を配る。破損した場合も,繕ったり,端切れをつなぎ合わせたり,裏地や帯にしたり,工夫して長く愛用した。

こうした家庭の営みの中で,ものを大切に扱うことを子どもたちは自然に学んでいった。

ものを大切にする心は,現代のエコロジーの精神にも通じる。

きものを着ると,自然と背筋が伸びて,美しい所作が身についてくる。

動きが制約されるからこそ,周りに気を配る心遣いが生まれてくる。

京都には,普段はしまつしているが,着るものにこだわり,特別な晴れの日に質のいいきものを着る気風があるが,これは,相手をもてなすために着るという考え方,おもてなしのこころに通じている。