琉球びんがた
1984年に国の伝統的工芸品に指定された、沖縄で作られている染物です。
紅型染は沖縄を代表する南国らしい強い色を多用した染色で、琉球王府時代は王族、士族の衣装に広く用いられた染めの技法です。
当時は紅型専門の染め物業を営む紺屋があり、そのうち二つ、城間家と知念家の流れを汲む、城間栄喜さんと知念積弘さんは戦後の紅型復興に大きく尽力しました。
王府時代は様々な色柄が染められた多種多様な衣装があり、身分や用途によって厳格に決められていました。平民も着用しましたが、大柄で多彩な色使いのものほど身分の高い人に着用され、王族の衣装や献上品にも用いられました。
琉球びんがたは南国らしいカラフルな色彩が特徴ですが、藍で浸染した藍濃淡の「藍型」も含まれます。模様は本州の影響も見られます。製作工程では、糊で型置きし、顔料で色挿しすること、また「隈取り」とよぶぼかしを施すことが特徴です。図案作成、型彫りから仕上げまで一貫作業で作ります。型染のほか、糊袋の筒先から手で押し出して模様を描く「筒引き」もあります。型染は主に着物類、筒引きは舞台幕や風呂敷などに用いられます。生地には絹、麻、木綿、芭蕉布を使用します。
1996年「紅型」が国の重要無形文化財に指定され、保持者として玉那覇有公氏が認定されました。
1934年 那覇市に生まれる。
首里高校卒業、父・城間栄喜とともに家業の紅型に従事する。
1984年 沖縄三越にて「城間栄喜 栄順親子展」開催。
1985年 琉球新報産業活動受賞ほか多数。
1936年 沖縄県石垣市に生まれる。
1961年 琉球紅型三宗家 城間家14代 義父・城間栄喜に師事。
1974年 沖展賞。
1975年 日本伝統工芸展に初入選。
1978年 日本伝統工芸展奨励賞。
1983年沖縄タイムス芸術選賞大賞。
1996年 重要無形文化財「紅型」の保持者に認定。