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Elegant Blue Bristol Glass

【王侯貴族のブルー】

始まったばかりの夜を、
こぼれんばかりに湛えて⋯

ロンドン万国博覧会(1851年)
英国 ヴィクトリア女王とアルバート公が招いた「王侯貴族のブルー」

ガラスの起源には、有史以前のメソポタミア起源説とエジプト起源説との2説があります。
現代では身近な素材になっていますが、その歴史は大変古く、ガラスは最も古い「宝石」のひとつでした。ツタンカーメンの首飾りの中石であるスカラベも、ガラスで作られていることからも、太古から権力者に愛された宝石であったことが窺い知れます。

18世紀後期に、リチャード・チャンピオンというブリストルの商人、陶芸家が、化学者のウィリアム・クックワージーと共同で磁器を制作しており、クックワージーは白い磁器を装飾するために青い釉薬の原料になる質の良い酸化コバルトを探し求め、ドイツのザクセン州にあるロイヤル・ザクセン・コバルト・ワークスから酸化コバルトを独占的に輸入できる権利を得ました。

ラズルスとアイザック・ヤコブは、1780年代の最も有名なブルーブリストルグラスのメーカーであり、彼らの会社は王室より認可を受け、
ヨーロッパの貴族の為にガラスを製造していました。ブリストルグラスのメーカーは、ヴィクトリア女王とアルバート公が開催した1851年の
万国博に招待され、技を実演。夜の始まりを連想させる妖艶なまでの奥深い光の通り方が最大の魅力であり、当時、新素材のブルーグラスにダイヤモンドをセットしたジュエリーは、イギリス王室で賞賛され、ヨーロッパの王侯貴族の間で圧倒的な人気を博し、17のガラス工房がブリストル市に立ち上がるに及びました。

18世紀後期から19世紀初期にかけてのブリストル ブルーグラスは大変高価な素材でもあり、ハイクラスのジュエリーの素材として申し分のない美しさを有していました。