竺仙 かげろうゆかた 宮下真理子 江戸朝顔




江戸あさがお
入谷鬼子母神の朝顔市で朝顔を選び、江戸咲の伝統的な寄せ植えを1ヶ月観察して描きました。
朝顔の形状は琳派模様が代表的ですが、狩野派や丸山応挙からも踏襲し、従来の竺仙柄にない新しい「江戸あさがお」を完成させました。宮下真理子
日本画の「正統」を歩み続ける
宮下真理子 MIYASHITA MARIKO
東京藝術大学日本画科を首席(作品買い上げ)で修了。
東京藝術大学大学院博士課程修了(博美第175号取得)
大学院では保存修復分野の日本画や和紙を研究をし
博士論文野村美術賞を受賞。
2001年より院展出品を中心とした創作活動を開始し
研ぎ澄まされた感覚と、伝統的な日本画の技術が溶け込んだ作品を生み出し続けています。
2019年から竺仙ゆかたを手掛け、以来毎年新作を発表、好評を得ております。
透けそうで透けない、涼感あるかげろうの生地
透け感を縞のように織り出したかげろうゆかたは新しく生まれました。
等間隔に縞状の透かし織模様が入った涼感を感じる生地です。
余分な毛羽を取り除き強く撚りをかけた糸を用いることで、さらさらとした感触と高級感のある光沢が特徴です。
陽炎のように儚く優しい雰囲気より、かげろうと名付けられました。
染めは型に沿って糊を施し染料を注ぎ込む、注染という染色法。
独特な技法により、手仕事特有の他には無い染め上がりを醸し出しております。
実際にお召しいただくと、爽やかで涼しげな印象を与えます。
上質な質感と落ち着きを醸し出す大人の浴衣です。
【江戸後期天保13年(1842年)に創業の「竺仙」】
江戸染浴衣の独特な技術を活かし浴衣から江戸小紋へと世間に名を馳せ、歌舞伎の世界にまでその生きざまが描かれています。
竺仙染は、江戸明治から伝わる型紙と職人の鋭敏な勘のみで作られています。
反物の口型に「竺仙鑑製」と染め抜かれた「鑑」の一字にその覚悟が示されています。
「鑑」とは、手本になる、かがみ、また目利きなどの厳しい意味があります。