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新里玲子 宮古上布 なごや帯 

宮古上布

草から生まれた一本の糸が人の手も手をつなぎ、心と心を織りなして生まれた布

苧麻の栽培、糸積み、織り、砧打ち、悠久の時をこえた伝承のいとなみ

草木に染まり、風をはらみ、光を宿す大地の布だ

新里玲子

宮古島芋工房

重要無形文化財保持団体 宮古上布保持団体代表

【宮古上布】
国の伝統的工芸品に1975年2月に指定された「宮古上布」みやこじょうふ。

沖縄本島の南西、約300キロに位置する宮古島で織られる、経緯ともに手積みの苧麻糸を用いて絣柄などを表した夏織物です。

繊細な模様、薄手の地風とロウ引きしたような光沢が特徴です。絣糸の作り方は締機による織締めと、手括りがあり、後者は最高級の麻織物として1978年4月に国の重要無形文化財に指定されました。

今も苧麻栽培から糸積み、染め、砧打ちまで全工程を島内で行います。琉球時代は貢納布として作られ技術が発達。薩摩藩の支配下にあったため、薩摩上布の名で本土に出回り、紺地白絣で知られました。

現在の宮古上布は、経糸は締め機で絣筵を作り、糸は琉球藍を用いて染色。また、製織は手投げ杼を使って高機で手織りされます。こうした作業を分業で行い作られる精緻な絣の紺上布が有名です。

原料の苧麻は繊維を爪で裂き、撚り合わせて糸を作ります。結んで糸を作らないため結び目による節ができず、また仕上げに澱粉糊を塗り木槌で布面を叩く「砧打ち」をすることで、持ち味のなめらかで光沢のある、ロウ引きしたような地風が表現されます。

また近年は、琉球王布時代に作られていたという、植物染料で染色し、手括りの絣糸を用いて沖縄の伝統柄などを表した色上布も人気です。

新里玲子

沖縄 宮古上布